書籍
殺したい子
イ・コンニム 著 / 矢島暁子 訳
定価(税込) 1,870円(本体1,700円+税)
ISBN978-4-908184-42-0
2023年4月22日発売
内容紹介
“あの日”何があったの? 死んだあの子と“私”に……
校舎裏で殺された女子生徒、容疑者は“親友”とされる一人の少女。
食い違う18の証言、やがて浮かび上がる戦慄の真実。
主人公は高校一年生の女の子、ジュヨン。ある日校舎の裏で親友のソウン
が死体となって発見され、警察から容疑者として取り調べを受けることに
なる。昨日の放課後、ソウンと大げんかをしたのは確かだが、記憶は途中
からすっぽりと抜け落ち、殺人の記憶はない。
裕福な家庭で何不自由なく育ち、誰からも羨まれるジュヨン。一方、貧し
い家庭で育ち、学校ではあまり目立たなかったソウン。性格も周囲の評価
も正反対だが、他の誰も間に入り込めないような親友だった。物語は、勾
留されたジュヨンの心の声と、周囲の人たちの証言を交互に綴っていく。
当初バラバラに見えた「真実」をめぐる証言は、ある方向に集約していく
のだが……。
著者紹介
【イ・コンニム】
1989年生まれ。2014年ソウル新聞新春文芸に童話『メドゥーサの末裔』(未邦訳)が
掲載され作家デビュー。2017年『世界を超えて私はあなたに会いに行く』(矢島暁子訳 KADOKAWA)で第8回文学トンネ青少年文学賞大賞を受賞。著書に『幸運が君に近づいています』『名前を盗んだ少年』、『B612の泉』(共著)、『少女のためのフェミニズム』(共著)、童話『おばけの悩み解決士』『悪党の住む家』(いずれも未邦訳)がある。
翻訳者紹介
【矢島暁子(やじまあきこ)】
学習院大学文学部卒業。高麗大学大学院国語国文科修士課程で国語学を専攻。訳書にソン・ウォンピョン『アーモンド』(2020年本屋大賞翻訳小説部門第一位受賞)『三十の反撃』(2022年同賞受賞)『プリズム』(以上 祥伝社)、チョ・ナムジュ『ミカンの味』(朝日新聞出版)、イ・コンニム『世界を超えて私はあなたに会いに行く』(KADOKAWA)、イ・ギュテ『韓国人の心と暮らし』(彩流社)、キム・エランほか『目の眩んだ者たちの国家』(新泉社)、洪宗善ほか『世界の中のハングル』(三省堂)がある。